太るとこんな危険が!

太るとこんな危険が!

 

ダイエットの前に生活習慣を改善

ダイエットは、ただ見た目の美しさだけのためだけでなく、病気の予防につながります。つまり、自分の未来への投資のようなものです。では、肥満にはどんな病気の危険があるのでしょうか。

私たちの身体は、消費したエネルギーよりも摂取したエネルギーが多いと、余った分を脂肪として蓄えるのです。こうした脂肪の蓄積が長く続いた結果が「肥満」になります。肥満は「体脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態」と定義されており、過剰であるかどうかの判断には国際基準であるBMIが使われるのです。BMIというのは、体重と身長から算出される「肥満度」のこと。

BMIの求め方】

BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗

日本肥満学会の基準では、BMI22がもっとも病気になりにくい「標準体重」、25以上が「肥満」、35を超えると、ただちに治療が必要な「高度肥満」と判定されるのです。

 

肥満はなぜ悪いのか

肥満は脂肪がつく場所によって、大きく「皮下脂肪型」と「内臓脂肪型」にわかれています。このなかでとくに注意が必要なのが内臓脂肪型になります。内臓脂肪型肥満は糖尿病、高血圧、脂質異常症高尿酸血症痛風心筋梗塞脳梗塞脂肪肝、月経異常・不妊など生活習慣病をはじめとするさまざまな病気のもとになることがわかっているのです。

肥満のタイプを診断するにはCT検査などを行う必要がありますが、自分自身で判断する場合は、腹囲がひとつの目安です。一般的に成人男性であれば85cm以上、成人女性の場合は90cm以上で内臓脂肪型肥満の可能性が高いと考えられています。
これに対し、皮下脂肪型肥満は重篤な病気になる危険性の少ない肥満になります。しかし、肥満状態が長期間続くと、足の関節や股関節に負担がかかり炎症などの原因になり、睡眠時無呼吸症候群や月経異常・不妊乳がんなどの病気になる可能性も高まるといわれているのです。

肥満は、見た目が悪くなるだけでなく、健康に重大な悪影響を与えるのです。食べすぎや運動不足の人は、今日から生活習慣を改めていきましょう。

 

食事制限だけのダイエットはこんなに損

生活習慣の乱れが原因の肥満や病気は、薬で改善しても、生活習慣を変えなければ高いリスクを抱えたままになります。生活習慣のなかでも摂取エネルギーを抑える「食事制限」と消費エネルギーを増やす「運動」の両立は欠かせないのです。

ときどき「運動は大変だから食事制限だけやる」という人がいますが、それでは満足のいく結果が得られないばかりか、場合によっては健康を害することにもつながるため注意が必要になります。その理由には次のようなものがあるのです。

 

やせにくい身体になる

人間の消費エネルギーには、大きくわけて、基礎代謝量、食事誘発性熱産生、身体活動量の3つがあります。

 

基礎代謝

息をする、心臓を動かす、脳が考えるなど、生命活動を維持するために必要なエネルギー量のことです。全消費エネルギーの約6割を占めます。


食事誘発性熱産生

食事の消化に使われるエネルギー量です。食事量に比例するが、一般的に全消費エネルギーの約1割にあたります。


身体活動

身体を動かすときに消費するエネルギー量です。運動量によって変動します。
全消費エネルギーにおける割合は約3割を占めます。

 

運動をせず、食事制限ばかり行うと、脂肪とともに筋肉も落ちてしまい、基礎代謝量が低下してしまいます。その結果、どんどんやせにくい身体になってしまいます。そのほかにも次のようなデメリットがあるのです。

 

栄養不良に陥る

運動をしない代わりに過度に食事制限を行うと、エネルギーだけでなく身体の維持に必要なビタミンやミネラルといった栄養素の不足にもつながります。

 

継続が難しい

肥満の人は、「食べるのが好き」な人が多いです。そういった人にとって「食べたいものが食べれない」というストレスはとても大きいものです。無理な食事制限を続けると、どんどんストレスがたまってしまい、ある日突然がまんの限界を迎えてしまうことになります。ダイエットを継続するには、食事制限もほどほどが大事になるのです。

 

病気が改善しないケースも

肥満の解消にあわせて生活習慣病の改善を目指す場合は、食事制限だけでは不十分なケースが多いです。運動には、単にエネルギーを消費するだけでなく、血圧を上昇させる物質の産生をうながしたりする効果があります。たとえば高血圧の人の場合、塩分や摂取エネルギー制限と適度な運動を両立させることで、より効果が出やすくなります。

 

食事と運動の「両立」が相乗効果を生む

30日で1kgの脂肪(7,200kcalに相当)を減らすためには、1日あたり240kcalのエネルギーを余分に消費しなければならないのです。この240kcalに相当する食事量と運動量(体重70kgの場合)は次の通りになります。

食事(240kcal相当)

ご飯茶わん1杯弱、たいやき1枚強、ビール中ジョッキ1杯強、植物油大さじ2

運動(240kcal相当)

ウォーキング約60分、ジョギング約30分、水泳(クロール)約30分

 

食事と運動を組み合わせるメリット
単に体重を減らすだけであれば食事療法のほうが楽に感じるかもしれないです。しかし、健康的にやせるのであれば、食事と運動を組み合わせることが重要になります。

 

やせやすい身体になる

食事制限だけの場合とは反対に、運動によって筋肉がつけば、基礎代謝が増えてやせやすい身体になります。やせやすい身体になると、ダイエットも順調に進み、身体が軽くなることでさらに運動がしやすくなる好循環が生まれます。


継続しやすい

食事制限によるストレスを運動で解消することができるため、ダイエットを継続しやすくなります。また、同じ240kcalを減らすのでも、食事(200kcal)+運動(40kcal)のように組み合わせて行うことで、無理なく継続できます。


病気の治療にも有効

食事療法と運動療法の両立は、肥満解消に役立つだけでなく、肥満と関係する糖尿病や高血圧、高尿酸血症痛風などの治療としても効果的があります。

 

運動のやり方は、筋肉を鍛える無酸素運動と脂肪を燃焼させる有酸素運動をバランスよく組み合わせることが大切だといわれています。健康のためにも、スマートで美しい自分を取り戻すためにも、目標を定め、食事制限と運動をうまく組み合わせながら実現しましょう。

 

ここがポイント!

・生活習慣の乱れは、肥満や病気のリスクを高める

・肥満や病気の改善には食事制限だけでは不十分

・食事制限と運動の両立が大切